blackmii’s blog

気まぐれな22歳のブログです。ほとんどノンフィクションでお送りいたします。

引越し

私は家が嫌いだった

 

 

 

 

毎日食事は1人で、洗濯物も自分でやって掃除だって時々やる

なんで自分が汚したわけじゃないのにやらなきゃいけないんだ

そんなことするくらいなら一人暮らしの方がいい

 

 

ずっとそう思いながら仕方なく実家にいた

 

 

どこに行くのか

何時に帰るのか

今日帰ってくるのか

 

そんなことを聞かれるのも

家で人と顔を合わせることも嫌だった

 

 

 

そして、22歳

私は初めて一人暮らしを始めることにした

念願の一人暮らし

荷造りなんて全然終わらなかったけどそんなに遠くないからとりあえず必要なものだけを車に積んで家を出た

荷物をまとめていたら本当に一人暮らしをするんだと実感して

 

 

なんだか寂しくなった

 

 

あんなに嫌いだった家

今すぐにでも出たいと願っていた家

それなのになぜが寂しさを感じていた

 

 

 

悔しいけど、認めたくないけど

私は親に守られていたんだと感じた

帰る家、生活費、食事

これからは全部自分で作らなければいけなくなる

 

昔からご飯だけはちゃんと用意してくれてて

それでも、そんなの親じゃないって

ご飯だけ作ればいいと思ってるだなんて、父に思ったこともあった

掃除だって洗濯だって自分でやってるんだから私は一人暮らししているようなもんだなんて生意気に思ってた

 

 

でも、そうじゃなかった

帰る家を用意してくれてご飯作ってくれる、起きっぱなしの食器を洗ってくれる

そんなの親以外誰がしてくれるだろうか

紛れもなくあれは父だ

料理ができて大抵のことはなんでもできる器用な人なのに娘と接するのは不器用な父

でもそれはきっと全て優しさで

特に仲が悪いわけじゃないけど

私はお父さんに対して思いやりが足りなかった

母親がいないことをずっとどこかで引きずってて素直になれなかった

父のダメなところばかりを見ていたんだ

 

お金がないと言いながら

一回もライフラインが止まったことはない

やりたいことはできなかったけど、食事に困ったことは一度だってなかった

 

それがどんなにすごいことか

私は一人暮らしの準備をしていて思った

私なんか自分1人が生活するのにもギリギリなラインだ

それを父は親だからってただそれだけで兄と私の2人を養ってくれている

 

 

ただ親だからってそれだけの理由で自分の人生をかけて育ててくれた

 

 

きっと私の家庭は普通じゃなかったかもしれない

不便だってたくさんあった

寂しい思いだってたくさんした

憎んだことだってある

 

でもそんなのもうどうだっていい

 

 

今はもう人生をかけて育ててくれたことに感謝しかない

 

 

 

これから私は新しい道で、新しい生活を始める

きっと今まで以上に大変になって、まだ父の手を借りなければ生活できないかもしれない

それでも嫌な顔ひとつせず、むしろ自分から食べ物冷凍しておくから持って行きなねって

何か必要なものあったら言えって

珍しく命令口調だったのは、きっと照れ隠しで

そう言ってくれる優しさに

家を出る最後の日まで父のその優しさし触れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう